「のだめカンタービレ」考

のだめカンタービレ」ヨーロッパ篇ドラマの後編を観た。
最後の、のだめ、千秋のそれぞれの演奏、指揮におけるクライマックスは、連ドラの時のそれに比べると、感動は薄かったが、コミックがまだ続いていおり、日本篇のように明確な区切りが無いこと、かなり長いエピソードを縮める必要があったことを考えると、なかなかよくできていたと思う。
ヨーロッパ篇は日本篇に比べて、脚本作りには苦労したと思われる。日本篇は、のだめ、千秋がそれぞれのトラウマを超えて、成長していく物語であり、そこで突き当たる壁が、純粋な音楽に関するものというよりは、対人関係であったため、人間関係を描くことで表現しやすい。それに対して、ヨーロッパ篇は、音楽そのものに対する悩みであり、葛藤であったために、表現が難しいし、そもそも、それを表現できたとしても、今度はクラシックに素人な大半の視聴者には理解が困難。だから、コミックとしては、ヨーロッパ篇の方が知的で面白いのだが、映像や音で表現することは難しい作業。ドラマでは、コメディ色を前面に押し出すことで、あまりこだわらずに作った感じはする。
のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)
NHKの教育テレビで土曜日の午後に、著名ピアニストが学生(それも選ばれた優秀な)に指導をするという番組があり、よく見ていた。教師と生徒のやり取りのほとんどは理解できないが、高度な音楽教育というのはこうやって行われるんだということを目にすることができて、かなり面白かったが、これものだめ人気がきっかけだったのだろうか。のだめカンタービレのアニメも、日本篇までだったであろうか。それであれば、ヨーロッパ篇の政策をぜひお願いしたい。
スーパーピアノレッスン ~ショパン (NHKシリーズ)
ところで、のだめ役の上野樹里は、のだめの後に、織田裕二との連ドラに出ていたが、のだめ色がまだ残っていたのと、ドラマのストーリー自体があまり面白くなかったのとで、あまり魅力的ではなかったのが残念。蒼井優と共演した「虹の女神」も、なんだかぱっとしなかった。そもそも、その役の人物が死んでしまってからの話だったし。蒼井優との掛け合いも無かったし。今年の活躍に期待したい。
虹の女神―Rainbow Song (幻冬舎文庫)
話は変わるが、NHKの「サラリーマンNEO」の年末特番の再放送を観た。また今年も続きそうな勢いだが、ぜひ、ゲストとして蒼井優にOLや派遣社員役で出てほしい。資生堂TSUBAKIのCMでも、JRAのCMでも、派遣社員役がすごくかわいかった。NEOでは、普段は清楚なOLが、ふと冷酷な裏の顔を覗かせるというコントをやってほしい。可能なら、先の2つのCMのパロディー風がいい。無理か。
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